三菱重工技報
    Vol. 55 No. 2 (2018)   新技術特集
    技術論文

    航空機複合材廃材のリサイクル利用による環境負荷低減

    Environmental Impact Reduction by Recycling of Composite in Aircraft Manufacturing

    金升将征
    Masayuki Kanemasu
    西村渉
    Wataru Nishimura
    吉川明男
    Akio Yoshikawa
    山森卓
    Taku Yamamori
    小林亮
    Ryo Kobayashi
    金升将征
    西村渉
    吉川明男
    山森卓
    小林亮

    航空機部品を中心に,軽量·高強度である炭素繊維を用いた複合材の利用が進んでいるが,当社では年間1000トン近くの複合材廃材が発生し,産廃処理している。炭素繊維の製造は,エネルギー負荷が大きく,アルミと比べても2倍以上のCO2が発生しており,さらに複合材産廃処理にも環境負荷が発生する。この問題を解決するため,複合材リサイクル技術に着目し,リサイクル炭素繊維の性能評価や強度特性を取得した。本稿では,環境負荷低減を目指し,複合材廃材からリサイクル炭素繊維を抽出するまでの新しいバリューチェーン構築の取り組みについて述べる。