三菱重工技報
    Vol. 55 No. 2 (2018)   新技術特集
    技術論文

    損傷現象をシミュレートする複合材の強度予測技術

    Strength Prediction Technique for Composite Materials Simulating Damage Phenomenon

    佐藤幸宏
    Yukihiro Sato
    柏木聖紘
    Masahiro Kashiwagi
    三浦一浩
    Kazuhiro Miura
    野中吉紀
    Yoshinori Nonaka
    須原正好
    Masayoshi Suhara
    清水隆之
    Takayuki Shimizu
    佐藤幸宏
    柏木聖紘
    三浦一浩
    野中吉紀
    須原正好
    清水隆之

    数値解析による複合材の強度予測技術について紹介する。繊維強化プラスチック(FRP)に代表される複合材は金属に対して比強度に優れるため,主に航空機などの輸送機器を中心に適用が進んでいる。しかし,FRPの損傷現象は複雑であり,構造信頼性を確保するために多数の試験を要するため,開発期間が長期化する傾向がある。そこで,当社ではFRPの複雑な損傷をシミュレートし,強度を高精度に予測する解析技術の開発に取り組んでいる。この解析技術は,繊維,樹脂,および層間の損傷を数値解析上で表現し,逐次的に損傷の進展を解くことで強度を予測する手法である。本報では,FRPで特に問題となりやすい,衝撃損傷による圧縮強度低下を対象に解析を実施した事例を紹介する。