三菱重工技報
    Vol. 55 No. 2 (2018)   新技術特集
    技術論文

    H3ロケット1段用LE-9エンジンの燃焼安定性予測技術及び対策技術開発

    Development of Prediction Method and Countermeasure for LE-9 Engine for Booster Stage of H3 Launch Vehicle

    磯野充典
    Mitsunori Isono
    池田和史
    Kazufumi Ikeda
    渡邊大輝
    Daiki Watanabe
    恩河忠興
    Tadaoki Onga
    田村貴史
    Takashi Tamura
    磯野充典
    池田和史
    渡邊大輝
    恩河忠興
    田村貴史

    三菱重工業(株)は現在,宇宙航空研究開発機構(JAXA)のもとでH3ロケットの1段用エンジンLE-9を開発中である。LE-9は従来エンジンに比べて燃焼器が大型化することから,燃焼の不安定化による大きな圧力変動(燃焼振動)の抑制が課題であった。このため,異なる噴射エレメント長さの組み合わせによる流量変動の分散化技術と,レゾネータによる圧力変動の吸収技術を新たに開発し,燃焼安定性を大幅に向上させた。これらキー技術の適用により,世界で初めて大推力エンジンにエキスパンダーブリードサイクルを適用するLE-9の実用化に目途付けができ,2020年の初号機打ち上げに向けて,順調に開発中である。