三菱重工技報
    Vol. 55 No. 2 (2018)   新技術特集
    技術論文

    自動車用高性能ターボチャージャを実現する排気脈動下タービン高効率化技術

    Performance Improvement of Automotive Turbocharger Turbine under Exhaust Gas Pulsation on Engine

    横山隆雄
    Takao Yokoyama
    茨木誠一
    Seiichi Ibaraki
    横山隆雄
    茨木誠一

    近年,乗用車エンジンで過給ダウンサイジングによる低燃費化が進められているが,更なる燃費規制強化に対応するため,従来より広範囲のエンジン作動点で効率が高いターボチャージャが強く求められている。本稿では,エンジン搭載のターボチャージャは排気脈動下で駆動されることに着目し,排気脈動下のタービン性能分析と高性能化に取り組んだ。排気脈動下のタービン非定常性能が計測可能なインペリアルカレッジ,タービン高性能化の権威であるケンブリッジ大との共同研究を通じて,非定常性能計測や大規模流動解析で流動現象を解明した。排気脈動下のタービン性能は準定常では評価できずヒステリシス特性を描くこと,また排ガスエネルギーが高い脈動ピーク圧力では,動翼前縁衝突損失が過大に増加することを把握し,新型斜流タービンの開発に繋げ,排気脈動下におけるタービン高性能化を達成した。