三菱重工技報
    Vol. 44 No. 1 (2007)   新製品·新技術特集
    技術論文

    ガスタービンの燃料多様化によるCO2削減対策

    CO2 Emission Reduction Method from Various Fuel Gas Firing Capability of Gas Turbine

    小森豊明
    Toyoaki Komori
    潮崎成弘
    Shigehiro Shiozaki
    山上展由
    Nobuyuki Yamagami
    北内洋介
    Yohsuke Kitauchi
    秋月 渉
    Wataru Akizuki
    小森豊明
    潮崎成弘
    山上展由
    北内洋介
    秋月 渉

    地球温暖化防止への対策を考える場合,この温暖化への影響が最も大きい二酸化炭素ガス(CO2)の削減が重要である.この CO2 削減対策は,大きく二つに分けられ,CO2 排出量削減と CO2 回収に区別される.
    更に,この CO2 排出量削減については,エネルギー変換機器の効率向上と CO2 排出が少ない水素リッチへの燃料転換に区別される.
    発電プラントの場合は,高性能ガスタービンを採用したガスタービンコンバインドプラント導入による熱効率の向上が既に進んでおり,更なる熱効率向上による CO2 排出量低減については,次世代のガスタービン開発が必要である.
    一方,燃料転換については,現行のガスタービン技術から燃焼器部分を主に改良設計すれば十分対応可能であり,かつ燃料転換後の燃料性状によっては,CO2排出量削減に大きく寄与できる.
    当社は,このニーズにこたえるべく早い時期から水素リッチガスの燃料をガスタービンに適用できるように開発を進め,既に商用機で 10 台以上の運転実績を有している.
    本報ではこれら燃料多様化に関連する水素リッチガス及び低カロリーガス焚きガスタービンの運転実績と設計概要等について紹介する.