三菱重工技報
    Vol. 44 No. 1 (2007)   新製品·新技術特集
    技術論文

    着実に前進 SOFC高効率複合発電システムの開発

    Development of High Efficiency SOFC Combined Cycle System

    玄後 義
    Tadashi Gengo
    小林由則
    Yoshinori Kobayashi
    久留長生
    Nagao Hisatome
    加幡達雄
    Tatsuo Kabata
    安藤喜昌
    Yoshimasa Ando
    小阪健一郎
    Kenichiro Kosaka
    玄後 義
    小林由則
    久留長生
    加幡達雄
    安藤喜昌
    小阪健一郎

    SOFC(固体酸化物形燃料電池:Solid Oxide FuelCell)は 900 ~ 1 000°Cの高温で作動する燃料電池である.この SOFC は石炭を含む多様な燃料の使用が可能であり,従来の熱機関に比べて規模にかかわらず,単体でも高い発電効率が得られるだけでなく,高温で作動することからガスタービンとの複合発電が可能であり,さらなる効率向上が見込まれるため,将来の高効率火力発電として期待されている.
    当社では 1984 年の開発着手以来,電池材料,電池構造,製造技術及び電池モジュールの開発を進めてきた.当社開発の円筒形 SOFC は,構造が堅ろうであることからガスタービン複合発電のような動的な変動を伴う系への適用に適している.その特徴をいかしたSOFC とガスタービンの複合発電への第一歩として,当社は 2004 年度に(独)新エネルギー·産業技術総合開発機構(NEDO)より,"円筒形 SOFC 高効率コンバインドシステムの開発"を受託し,2005 年度までに要素·制御技術の開発·実証を行ってきた.2006年度は円筒形 SOFC とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた 200 kW 級のコンバインドサイクルシステムの製作準備に取り組んでいる.