三菱重工技報
    Vol. 60 No. 1 (2023)   新製品·新技術特集
    技術論文

    風災害レジリエンス向上に貢献する台風被害シミュレーション技術

    Typhoon Simulation Technology to Improve Wind Disaster Resilience

    杉山貞人
    Sadato Sugiyama
    石井秀和
    Hidekazu Ishii
    髙島怜子
    Reiko Takashima
    池末俊一
    Shunichi Ikesue
    四條利久磨
    Rikuma Shijo
    杉山貞人
    石井秀和
    髙島怜子
    池末俊一
    四條利久磨

    地球温暖化に伴う気候変動に起因する気象災害が激甚化している中,高度成長期に建設された社会インフラは老朽化が進み,インフラの被害リスク分析,新設·修繕計画が重要になっている。三菱重工業株式会社総合研究所では洪水,津波,地震,台風,火災,漏洩爆発など多様な災害に対して,独自シミュレーションを有しており,気候変動に伴うリスク分析やインフラのレジリエンス(強靱性·回復力)の向上を目的とした対策デバイスを開発している。本報では,これらシミュレーションの中から,発生頻度が高く身近な災害である台風に注目し,台風被害シミュレーションの技術概要および,シミュレーション事例として,屋根浮き上がり被害,強風被害に対するリスク分析,被害抑制デバイス開発と台風被害リスクを可視化した設計風速マップについて紹介する。