三菱重工技報
    Vol. 59 No. 3 (2022)   デジタルイノベーション特集
    技術論文

    プラント制御装置への仮想化技術の適用

    Application of Virtualization Technology to Plant Controllers

    川嶋大樹
    Hiroki Kawashima
    舟橋聡
    Satoru Funahashi
    中出実
    Minoru Nakaide
    戸田信一
    Shinichi Toda
    川嶋大樹
    舟橋聡
    中出実
    戸田信一

    プラント制御システムは,制御する対象や機能ごとに制御装置を分けて制御する分散構成であるため,装置を減らすことによるコスト削減が難しい。三菱重工業株式会社では,その課題を解決するためITシステムで普及が進んでいる仮想化技術をプラント制御装置へ適用することを進めている。仮想化技術を適用することで,一台の物理ハードウェア上に複数の制御装置を集約して実装することができるため,大幅なコスト削減とともに,制御装置自体のエネルギー消費低減,CO2排出量低減が期待できる。今回,仮想化した制御装置を実用化するべく,制御装置に必要となる①リアルタイム性の向上と②冗長化構成における切替え手法の開発を行った。制御周期を50msecとした試作機において評価を行った結果,プラント制御装置に要求されるリアルタイム性と可用性を満たすことを確認したので本報にて報告する。