三菱重工技報
    Vol. 43 No. 1 (2006)   新製品·新技術特集
    技術論文

    燃料電池搭載深海巡航探査機"うらしま"

    Fuel Cell AUV "URASHIMA"

    前田俊夫
    Toshio Maeda
    石黒慎二
    Shinji Ishiguro
    横山和久
    Kazuhisa Yokoyama
    広川 潔
    Kiyoshi Hirokawa
    久留長生
    Nagao Hisatome
    谷 俊宏
    Toshihiro Tani
    前田俊夫
    石黒慎二
    横山和久
    広川 潔
    久留長生
    谷 俊宏

    地球温暖化の原因究明には北極海の海洋データの取得·解析が不可欠と言われている.容易に近づくことが困難なこの北極海の調査を有効に行えるツールとして長距離航行可能な巡航型の自律型無人潜水機(以下AUV:Autonomous Underwater Vehicle)の開発が望まれている."うらしま"はこの北極海の海氷下を自律航行できる AUV 開発のための試験機と位置づけられており,(独)海洋研究開発機構が開発に着手され,平成 12 年3月リチウムイオン電池を動力源とした状態で納入された.その後,航続距離の延伸を目的として動力源を燃料電池に換装する工事を平成 15 年3月に完工し,平成 17 年 2 月 AUV として世界最長の317 km 連続航走に成功した.
    本報ではこの世界初の燃料電池搭載深海巡航探査機"うらしま"の概要と海域試験結果について報告する.