三菱重工技報
    Vol. 43 No. 1 (2006)   新製品·新技術特集
    技術論文

    地熱用タービンロータの肉盛溶接補修による再生技術

    Welding Repair Technology for Geothermal Turbine Rotor

    藤田明次
    Akitsugu Fujita
    松井正数
    Masakazu Matsui
    宮崎俊彦
    Toshihiko Miyazaki
    曽我隆志
    Takashi Soga
    山口 亮
    Makoto Yamaguchi
    藤田明次
    松井正数
    宮崎俊彦
    曽我隆志
    山口 亮

    地熱タービンロータはほとんど低合金鋼(CrMoV鋼)を使用しており,腐食性ガス成分が高い環境において,長時間の運転によりタービン翼植込み部に応力腐食割れ(SCC)などの損傷を生じる場合がある.
    これらの損傷部に補修溶接を行う場合,一般的に使用する溶接材料はその施工性の観点より低炭素系の材料であるため,あまり高強度は期待できない.さらに溶接熱影響部(HAZ)は SCC に対する感受性を低くするために,焼鈍(SR)温度を高くすべきであり,この点においても溶接金属の強度は低くなる要因である.
    これに対して,当社では高耐食性および高強度を有する肉盛溶接部の施工法を確立し,地熱ロータの再生工事へ適用している.
    本報では損傷した地熱ロータに対して,高耐食性及び高強度化を可能にした補修溶接技術について紹介する.