三菱重工技報
    Vol. 56 No. 3 (2019)   三菱日立パワーシステムズ特集
    製品紹介

    今後の容量·調整力市場に必要な高速負荷応答性に対応するPWPS/航空機転用型ガスタービンについて

    PWPS/Aerodelivative Gas Turbine for Fast Demand Response in Coming Ancillary Market

    三菱日立パワーシステムズ株式会社
    PWPS 事業推進室

    太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー(以下,再エネ)を大量に導入することは世界的な傾向である。しかしながら,周知のとおり再エネは非常に不安定で,太陽光発電の場合は日没からは発電できなくなる。既に現段階でも大きな問題となり,地域によっては電力系統の安定運用のために太陽光発電を制限せざるを得ない状況となっている。将来の更なる再エネ導入拡大には,電力系統の負荷変動を補償する火力電源設置が不可欠である。この電源には高速起動特性と高速負荷応答性,CO2排出が少ない高効率が要求されるが,これに最適なのが今回紹介する航空機転用型ガスタービン(以下Aero GT)である。また,国内では,今後の送配電分離による完全自由化に移行されることとなっており,前述の再エネ導入時の系統安定化を踏まえて容量·調整力市場が整備されていく予定であるが,Aero GTはこの市場に有望な製品である。本報では,このAero GTの特徴と欧米での使用事例を紹介する。