三菱重工技報
    Vol. 53 No. 4 (2016)   新製品·新技術特集
    製品紹介

    海水用高耐久性ライニング鋼管の開発

    Development of the High Durable Lining Steel Pipe for Sea Water System

    エネルギー
    環境ドメイン
    原子力事業部 神戸原子力営業部

    国内の原子力発電プラントは,冷却水として海水を使用している。この海水を各設備の冷却器に循環させるための配管は,海水に対する防食を目的として配管内面にゴムやポリエチレン(PE)等の高分子材料をライニング施工している。近年,このライニング材において,弁やオリフィス等の絞り部などの高流速部におけるキャビテーション壊食や,スラリー摩耗,物性低下によるき裂発生などの経年劣化事例が発生しており,ユーザである電力会社からより高い耐久性,信頼性を有したライニング材料の開発ニーズが高まっていた。そこで,宇部丸善ポリエチレン(株)と共同で,既存のライニング材を凌駕する耐キャビテーション壊食性,耐き裂性を有する高耐久性ライニング材を開発,過酷な環境に耐え得るライニング材として国内原子力プラントへの適用を開始している。