三菱重工技報
    Vol. 53 No. 4 (2016)   新製品·新技術特集
    製品紹介

    「どこでもドア®」次世代ホームドア開発段階から実駅実証試験へ

    The Verification Stage from the Development Stage
    "Multi-door Type of Platform Screen Door"

    三菱重工交通機器エンジニアリング(株)
    営業部 営業課

    ホームドアは,鉄道駅のプラットホーム上における,乗客の安全性を確保するとともに,列車を安全に運行するための設備として効果が認められ,乗客数の多い首都圏ならびに関西·中部の大都市の主要駅を中心に設置が進められている。しかし,駅によっては,車体長,ドア数,ドア位置の異なる車両が発着し,通常のホームドアでは対応できないことが,普及の進まない大きな要因となっている。この課題を解決すべく当社が開発したのが「どこでもドア®」である。三菱重工グループの三菱重工交通機器エンジニアリング株式会社(MHI-TES,代表取締役社長:坂本一秀,本社:広島県三原市)が開発を進めてきた「どこでもドア®」は,京浜急行電鉄株式会社(代表取締役社長:原田 一之,本社:東京都港区)のご協力のもと,2016年秋から京浜急行久里浜線「三浦海岸駅1番線」にて実証試験を開始します。今回の実証試験では,ドア数·ドア位置の異なる車両に対応したホームドアの社内検証結果を反映したプロト機を製作し,構造上の安全性確認,また車両長が異なる車両の「定位置停止判定」及び,ドア数(2ドア·3ドア)·ドア位置が異なる車両と,車両改修を必要とせず,地上設備のみでホームドア開閉を簡易的に連携可能とする「地上完結型簡易連携システム」(JR東日本メカトロニクス(株)との共同開発)を実証するとともに,実際の運用環境のもとでの耐久性能を検証します。