三菱重工技報
    Vol. 50 No. 2 (2013)   船舶·海洋特集
    技術論文

    船舶損傷時の復原力を維持する「復原力回復装置」の開発

    -貨物搭載能力の確保·船型制約の緩和-

    Development of New System Enhancing Ship Damage Stability

    大和邦昭
    Kuniaki Yamato
    植村洋毅
    Youki Uemura
    恩塚政憲
    Masanori Onzuka
    大和邦昭
    植村洋毅
    恩塚政憲

    近年,損傷時復原性規則の強化により,損傷後の残存復原力の要求が厳しくなってきている。当社では強化された規則に対応するため,同規則が適用されるRoRo船(Roll-on/Roll-off船),自動車専用運搬船(PCTC:Pure Car & Truck Carrier),及びフェリーへの搭載を対象に復原力回復装置を開発した。これらの船舶に復原力回復装置を搭載することで,航行中に万一船体が損傷した際,下部車両区画に浸水した海水を船底部空所等に導き,素早く重心を下げて,損傷により低下した復原性を高めることが可能となる。本報では,復原力回復装置の概要,効果,及び取り組みについて紹介する。