三菱重工技報
    Vol. 50 No. 2 (2013)   船舶·海洋特集
    技術展望

    日本の海域に調和する洋上風車浮体の開発

    Development of Offshore Wind Turbine Floater to Blend into Japanese Waters

    太田真
    Makoto Ohta
    小松正夫
    Masao Komatsu
    伊藤弘人
    Hiroto Ito
    熊本均
    Hitoshi Kumamoto
    太田真
    小松正夫
    伊藤弘人
    熊本均

    日本の国土面積は世界で60位くらいの低位でありながら,その海岸線の長さや領海と排他的経済水域の海域面積は世界6位に位置することはよく知られている.16億kWと推算されている洋上風力賦存量の活用を図るべく,官/学/産に於いて様々な局面から洋上風車の検討·開発が進められ,種々の提言や論文発表がなされるとともに,経済産業省や環境省では実証試験が開始された.三菱重工でも2000年から洋上風車開発の取り組みを実施し,その成果は原動機事業本部の7MW油圧式風車の開発,船舶海洋事業本部での大型風車用浮体開発へとつながっている.ここでは世界最大級の7MW油圧式風車を搭載した洋上風車の浮体開発にフォーカスし,浮体に対する基本的な考え方と現況を紹介するとともに,浮体式洋上風車の産業化に向けての課題について言及する.