三菱重工技報
    Vol. 45 No. 4 (2008)   航空宇宙特集
    技術論文

    夜間·低視程時のホバリングに対するヘリコプタ操縦性の改善

    Improvement of the Handling Qualities During Hover in the Night or Poor Visibility

    小島徹
    Toru Kojima
    小島徹

    近年,ヘリコプタのFBW(フライ·バイ·ワイヤ:パイロット操舵を電気信号で伝達する技術)化や,ヘリコプタの飛行制御則の更新に対する研究·開発が盛んに行われている.その目的として操縦性改善によるパイロット·ワークロードの低減があり,ホバリング(空中停止)時の操縦性改善のため,スティックの動きに対応した機体応答の特性を変更することが検討されている.このような新しい技術は,夜間·低視程時など厳しい環境で使用するヘリコプタの操縦性改善·安全性向上につながると期待されている.今回,機体の速度とスティックの動きが比例する"速度コマンド形式"を実現する制御則を設計し,パイ ロット評価を行った結果,そのような厳しい環境を含め,従来機に対し操縦性改善を示す定性的/定量的な結果が得られた.今後も,更なる操縦性改善·安全性向上を追及し,実機への適用を目指していく.