三菱重工技報
    Vol. 45 No. 4 (2008)   航空宇宙特集
    技術論文

    金星探査機(PLANET-C)向け500Nセラミックスラスタの開発

    Development of 500N Ceramic Thruster for a Venus Explorer "PLANET-C"

    松尾哲也
    Tetsuya Matsuo
    森島克成
    Katsushige Morishima
    井上涼平
    Ryohei Inoue
    野中吉紀
    Yoshinori Nonaka
    松尾哲也
    森島克成
    井上涼平
    野中吉紀

    従来の人工衛星の軌道·姿勢制御用スラスタは,ニオブ系合金にシリコンコーティングした燃焼器を使用していた.しかし,耐熱性(耐熱温度1300 °C程度),寿命及び取扱性に問題があり,また輸入品であるため入手性にも問題があった.そこで,燃焼器を国産のセラミックス(耐熱温度1500 °C)とすることで,スラスタ性能向上,低コスト化,安定供給が期待できる.当社では,世界初のセラミックスラスタの実用化を目指し,認定試験を実施中であり,金星探査機(PLANET-C)搭載可能性のめどが得られつつある.本報では,認定試験の状況について報告するとともに,認定試験で使用している燃焼試験設備についても紹介する.