三菱重工技報
    Vol. 61 No. 1 (2024)   新製品·新技術特集
    技術論文

    自動車用ダブルスクロールタービンの低騒音化技術

    Noise Reduction Technology for Double Scroll Turbocharger for Automobile

    北川大葵
    Daiki Kitagawa
    永代行日出
    Yukihide Nagayo
    星徹
    Toru Hoshi
    冨川邦弘
    Kunihiro Tomikawa
    秋山洋二
    Youji Akiyama
    岡信仁
    Nobuhito Oka
    北川大葵
    永代行日出
    星徹
    冨川邦弘
    秋山洋二
    岡信仁

    近年のCO2排出規制下においては,商品力としての加速性能と燃費改善の両立が必須であり,ターボチャージャについてはエンジン低速域で高トルクを発生させるための高い過給圧が求められる。ダブルスクロールタービンは2つの流路とバルブを備え,エンジン低速域では分割流路の性能特性を実現しつつ,高速域ではバルブを開くことでシングルスクロールタービンに近い性能特性を得ることができる。一方,2つの流路を持つためタービン周方向に圧力分布が発生し流体音が過大になる課題があった。三菱重工業株式会社では解析技術と試験検証を活用して大幅な低騒音化を実現しており,本報ではその取組み結果について述べる。