三菱重工技報
    Vol. 61 No. 1 (2024)   新製品·新技術特集
    技術論文

    深層学習を用いた画像認識における多段階学習による少数の実画像で構築可能な物体検出技術の開発

    Object Detection Developed with a Small Number of Acquired Images by Multi-step Training Method in Image Recognition Using Deep Neural Network

    小林周
    Amane Kobayashi
    松本知浩
    Tomohiro Matsumoto
    杉本喜一
    Kiichi Sugimoto
    岩田健司
    Kenji Iwata
    小林周
    松本知浩
    杉本喜一
    岩田健司

    産業車両の安全支援のための人検出システムなどでは,画像上の物体を検出する画像認識機能が不可欠である。深層学習を用いた画像認識では,実運用環境に映る検出対象物の画像を大量に学習させる必要があるが,画像取得の作業に多大な労力を要していた。そこで,三菱重工業株式会社は,国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で,実運用環境の条件に近い公開データやCGを用いて学習データを拡充し,これらを段階的に効率良く学習させる多段階学習手法を開発した。本手法により,従来法で実画像およそ5000枚の学習で得られる検出性能と同等の性能を,実画像280枚のみの学習で達成できることを確認した。当開発技術は,深層学習を用いた画像認識機能を有する当社製品に広く適用する予定である。