三菱重工技報
    Vol. 60 No. 2 (2023)   物流·冷熱·ドライブシステムドメイン特集
    技術論文

    カーボンニュートラル達成に向け暖房能力を飛躍させたルームエアコン23Sシリーズ

    Overview of the Development of the SRK_23S Series of Residential Air Conditioners with Improved Heating Capacity to Achieve Carbon Neutrality

    高野雅司
    Masashi Takano
    布目好教
    Yoshinori Nunome
    宇野順道
    Naomichi Uno
    久原正和
    Masakazu Kuhara
    藤原拓朗
    Takuro Fujiwara
    中西道明
    Michiaki Nakanishi
    高野雅司
    布目好教
    宇野順道
    久原正和
    藤原拓朗
    中西道明

    ヒートポンプ技術を用いた暖房は,化石燃料を用いた燃焼式暖房機器と比べて温室効果ガスの排出量が少ないため,カーボンニュートラル達成の主要技術として注目されている。一方,ヒートポンプ暖房も消費電力由来のCO2低減のため更なる高効率化や,その特性からヒートポンプ暖房のウィークポイントでもある低外気温時における能力向上が求められている。また,近年の住宅事情から,リビングにダイニングを合わせた20畳以上の空間を1台のルームエアコンで冷暖房する施工例が増えており,エアコンの大能力化ニーズが高まっている。そのような背景から,三菱重工サーマルシステムズ株式会社は従来機比,13%の省エネルギー性の向上を実現し,リビング用途として6.3/7.1/8.0kWクラスをラインナップに加え,更に低外気温時の能力を大幅に向上させた寒冷地向けモデルを追加した2023年向けルームエアコンを開発した。