三菱重工技報
    Vol. 59 No. 2 (2022)   プラント·インフラ特集
    製品紹介

    総合エンジニアリング力を発揮した可動式ホーム柵整備事業の取組み

    Business Development for Platform Gate Door System with Integrated Engineering, Comprehensive Management Including Civil and Architectural Activities.

    三菱重工交通·建設エンジニアリング株式会社
    交通·機器事業部 営業部

    駅ホームにおける安全性の向上は全ての利用者にとって重要な課題であり,ホームにおける転落·接触事故やそれに伴う列車遅延を減少させるべく,ホーム柵の整備が急がれている。政府は,2015年に閣議決定した"第一次交通政策基本計画"において,2020年度までに800駅を整備するという目標を設定し,1日当たり平均利用者数が10万人以上の駅に対してホーム柵整備に関する補助制度等を活用することで,優先的な整備を行う方針を示しホーム柵設置を促進してきた。また,新たに 2025 年度を目標年次とするバリアフリー化の目標を定め,引き続きホーム柵の更なる整備推進とともに,一層の駅ホームの安全性向上を求めている。一方,ホーム柵を設置するためには,既存ホームの健全性診断やそれに伴うホーム補強工事が必要であり,ホーム柵整備の課題のひとつとなっている。2020年7月神戸市交通局より,ホーム健全性診断並びにホーム補強工事を含む"神戸市営地下鉄 西神·山手線/北神線16駅 可動式ホーム柵整備事業"の総合評価一般競争入札が公示され,2020年4月付で土木·建築·プラントのエンジニアリング会社と交通機器の設計·製作·サービス会社が統合した三菱重工交通·建設エンジニアリング株式会社が,同年11月土木工事を含むホーム柵の設計·製作·施工·サービスまでを一括して対応できる体制で受注した。この整備事業は現在順調に進捗しており,既に先行する一部駅では供用を開始し,2023年7月に全線完成予定である。以下 その概要について紹介する。