三菱重工技報
    Vol. 56 No. 4 (2019)   冷熱特集
    技術論文

    冷熱機器の省エネルギー化を実現する進化型三次元スクロール圧縮機の開発

    Development of an Evolutionary Three-Dimensional Scroll Compressor Realizes Energy Saving of Heating and Cooling Units

    高須洋悟
    Yogo Takasu
    木全央幸
    Yoshiyuki Kimata
    堀田陽平
    Yohei Hotta
    佐藤創
    Hajime Sato
    伊藤隆英
    Takahide Ito
    山下拓馬
    Takuma Yamashita
    高須洋悟
    木全央幸
    堀田陽平
    佐藤創
    伊藤隆英
    山下拓馬

    三菱重工サーマルシステムズ(株)は2004年に独自の圧縮機構として,三次元スクロール(以降3Dスクロール)を提案し,3Dスクロール圧縮機を搭載した冷熱機器を2007年から生産販売してきた。3Dスクロールは,スクロールのラップ先端と端板にステップを設けることで圧縮途中の圧縮室高さを変化させ, 軸方向への圧縮を可能にしている。このため,一般的な二次元スクロールに対して小型大容量の圧縮機構を構成可能であることが特長であるが,3Dスクロール特有のステップ部の微小隙間からの漏れ損失が更なる高効率化の課題であった。今回,その課題の解決策として,3Dスクロールの特長である小型大容量を維持しつつ,漏れ損失を低減し,効率向上を達成した進化型三次元スクロール"e-3Dスクロール"圧縮機をヒートポンプモジュールチラーやVRF(Variable Refrigerant Flow)システム向けに開発した。