三菱重工技報
    Vol. 55 No. 4 (2018)   パワードメイン 新事業特集
    製品紹介

    新発想で設備及び運転費用を抑えた圧縮機駆動用コンパクト電動可変速駆動機

    Mitsubishi's Innovative Compact & Economical Variable Speed Drive System for Compressor Driver

    三菱重工コンプレッサ株式会社
    営業統括センター営業グループ

    近年,数々の分野において扱いやすくメンテナンス費用を低く抑えられる電動化への動きが多く見受けられ,産業機械分野においてもその駆動機を電動機にするケースが増えている。また,周波数変換装置(インバータ)の大容量化に伴い,従来50Hzや60Hzの一定周波数で運転されてきた電動機は,その周波数を変化させることで大容量でかつ可変速が可能な駆動機として使われるようになってきている。 このような背景のもと,大容量圧縮機も電動可変速駆動を適用する事例が見られるようになってきた。一方,大容量の電動可変速駆動となると,実績もまだ少なく,トランスやインバータの製造メーカが限定された特殊容量となるため,お客様の設備購入費用が上昇,同時にトランスやインバータの動力損失による運転費用増加がこれらを導入するマイナス要因となっている。上記課題を解決するため,圧縮機動力のうち主要動力を大容量一定速電動機に,また可変速度に寄与する動力を小容量可変速電動機にそれぞれ分担させるという新発想のもと,これら2つの動力を増速機部にて統合させた低価格/高効率の圧縮機駆動用電動可変速駆動機IMG-VSDS(Integrated Motor Gear - Variable Speed Drive System)を開発した。また,6MW試作機を製作の上,過負荷過酷試験等数々の工場試験を経て製品化した。本報ではIMG-VSDSについての製品紹介を行う。