三菱重工技報
    Vol. 56 No. 1 (2019)   新製品·新技術特集
    技術論文

    振動減衰特性に優れた"ベクトラン®"複合材を用いた先進航空機構造の開発

    Development of Advanced Aircraft Structures with High Vibration Damping Composite of VECTRANTM

    高木清嘉
    Kiyoka Takagi
    加茂宗太
    Sota Kamo
    藤田清孝
    Kiyotaka Fujita
    梓澤直人
    Naoto Azusawa
    小林利章
    Toshiaki Kobayashi
    楠戸一正
    Kazumasa Kusudo
    高木清嘉
    加茂宗太
    藤田清孝
    梓澤直人
    小林利章
    楠戸一正

    小型航空機が大迎角で飛行した際に尾翼が振動するバフェット現象は,構造の疲労損傷を加速させるため,開発途中で発見された場合,設計変更によるコスト増加及び開発遅延が問題となる。よって,重量増加が最小で既存構造に追加できる振動減衰効率の高い制振構造を開発する。当社では振動減衰性に優れた"ベクトラン"複合材を用いて,基礎特性試験とFEM モデルにより尾翼構造に取付けられる制振構造を開発し,実大相当の供試体による振動試験にて,尾翼取付部において10%のひずみ低減(疲労寿命2倍の伸び)効果が得られることを確認した。