三菱重工技報
    Vol. 51 No. 3 (2014)   機械·設備システム特集
    製品紹介

    阪神高速道路㈱向け 海老江ジャンクション

    -世界初,鋼管集成橋脚の実機初号機を施工-

    World First Construction of Steel Pipe Integrated Pier
    - Hanshin Expressway Company, Ebie Junction -

    三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社
    橋梁事業本部
    事業推進部 営業1G

    鋼管集成橋脚は,阪神高速道路(株)で開発した耐震性能の向上とライフサイクルコストの低減を両立することを目的とした新型橋脚であり,実機の初号機として,当社が詳細設計,工場製作,現地架設を行った。本橋脚の構造は,鋼管4本組を基本単位とし,履歴減衰機能を有するせん断パネルを組み込んだせん断リンクにより,鋼管を互いに結合することで単一の柱とした新形式の橋脚である。履歴減衰機能を有するせん断パネルを組み込むことで,耐震性能を向上させている。また,大地震時にはせん断パネルのみを損傷させることにより,その取り替えのみで復旧可能であることから,ライフサイクルコストの低減にも寄与している。また,使用する鋼管は,既製品であるスパイラル鋼管を用いることで,初期コストの縮減も図っている。上記特徴を持つ鋼管集成橋脚の初号機を,多数の技術的課題を克服して完成させた。