三菱重工技報
    Vol. 41 No. 4 (2004)   未来を守る地球環境特集
    特集 技術論文

    インキ洗浄液の使用量を大幅削減する洗浄廃液再生装置

    Wash-up Solution Recycling Unit for Reducing Printing Solution

    江田昌之
    Masayuki Eda
    青木将一
    Shoichi Aoki
    高良和幸
    Kazuyuki Kora
    末田 穣
    Minoru Sueda
    江田昌之
    青木将一
    高良和幸
    末田 穣

    本報では,印刷機から多量に排出されるインキ洗浄廃液を効率よく廉価に再利用するために開発したインキ洗浄廃液再生装置について紹介する.本装置は独自に開発した静電フィルタ方式によりインキ洗浄廃液に混入しているインキ顔料と水の不純物を除去し,洗浄廃液を再生する.静電フィルタ方式とは,金属フィルタに高電圧を印加することで,このフィルタを絶縁体の洗浄液のみが通過でき,不純物であるインキ顔料と水が通過できないことを利用したものである.本方式の採用により,インキ洗浄廃液からきれいに再生された洗浄液を瞬時に分離,回収することが可能となる.本装置を印刷会社で使用した実績によれば,印刷機の環境負荷低減が図れるとともにランニングコスト(洗浄液購入·廃却費)の大幅な低減が達成できた.