三菱重工技報
    Vol. 58 No. 3 (2021)   三菱パワー特集
    技術論文

    燃料電池システム"MEGAMIE®"の市場導入状況と今後の取組みについて

    Market Introduction Status of Fuel Cell System "MEGAMIE®" and Future Efforts

    冨田和男
    Kazuo Tomida
    西浦雅則
    Masanori Nishiura
    大澤弘行
    Hiroyuki Ozawa
    水原昌弘
    Masahiro Mihara
    山根司
    Tsukasa Yamane
    眞竹徳久
    Norihisa Matake
    冨田和男
    西浦雅則
    大澤弘行
    水原昌弘
    山根司
    眞竹徳久

    三菱パワー株式会社では,2050年の脱炭素社会の実現に向け,高効率な発電が可能な固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を適用したシステムの開発を進めている。SOFCとマイクロガスタービン(MGT:Micro Gas Turbine)のハイブリッドシステムでは,250kW級システムの実証を経て,市場導入を進めており,三菱地所株式会社丸の内ビルディング,株式会社安藤·間技術研究所(水素利活用),アサヒビール株式会社茨城工場(バイオガス利活用)に続き,初の海外向けとなる独ガス·熱研究所(GWI:Gas- und Warme-Institut Essen, e.V.)にも2021年度に納入する予定である。また,MGTを適用したMW級システムの開発も進めており,当該要素技術を大崎クールジェンプロジェクトの石炭ガス化燃料電池複合発電に反映し開発を進めている。更にMGTに代わりターボチャージャー(TC:Turbo Charger)を空気供給源とした改良型システムの開発も推進している。TCシステムではSOFCを2段に組み合わせたカスケードシステムを採用しており,部分負荷効率の向上が期待できる。2021年度に実証試験を行う予定である。