三菱重工技報
    Vol. 58 No. 3 (2021)   三菱パワー特集
    技術論文

    脱炭素社会に向けた水素·アンモニア焚きガスタービンの開発

    Development of Hydrogen·Ammonia Fired Gas Turbine for the Decarbonized Society

    野勢正和
    Masakazu Nose
    川上朋
    Tomo Kawakami
    中村聡介
    Sousuke Nakamura
    黒木英俊
    Hidetoshi Kuroki
    片岡正人
    Masahito Kataoka
    由里雅則
    Masanori Yuri
    野勢正和
    川上朋
    中村聡介
    黒木英俊
    片岡正人
    由里雅則

    脱炭素社会に向けた動きが世界で加速する中,三菱パワー株式会社では,水素焚き·アンモニア焚きのガスタービン複合発電(GTCC)の開発を継続して取り組んでいる。現在,大型ガスタービンで天然ガスに水素を30vol%混ぜて使用できるガスタービン燃焼器の開発を完了し,水素専焼方式の開発も鋭意進めている。また,水素のエネルギーキャリアとして有望なアンモニアを利用するGTCC開発にも取組み,カーボンフリー発電システムのラインアップを更に拡充する。当社はこれらの技術で,ヨーロッパ,北米をはじめとする水素焚きGTCCプロジェクトに参画し,2020年代半ばからの実用化を目指す。大容量·高効率GTCCによる大規模な水素需要を喚起することで,当社は国際的な水素サプライチェーン構築を牽引し,脱炭素社会の実現に貢献していく。