三菱重工技報
    Vol. 54 No. 4 (2017)   航空宇宙特集
    製品紹介

    捕えろ粒子·感じろ電磁波 ジオスペース探査衛星"あらせ"ミッション部の開発

    Catch plasma/particle and feel plasma waves
    Development of the Exploration of
    Energization and Radiation in Geospace "Arase" Mission Module

    防衛
    宇宙セグメント
    宇宙事業部 宇宙機器技術部
    宇宙機設計課

    ジオスペース探査衛星"あらせ"は,太陽表面の爆発現象などによって生じる,太陽系空間を伝わる擾乱(じょうらん)によって発生する宇宙嵐の発達の仕組み,中でも,地球周辺に存在する放射線帯(ヴァン·アレン帯)において,宇宙嵐に伴って激しく変動する高エネルギー粒子の生成·消失過程を明らかにするため,国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて開発された探査衛星である。 当社は,ミッション部のシステム·インテグレータとしてミッション部のシステム設計,製造,試験を取りまとめるとともに,観測機器の約半数をJAXA宇宙科学研究所(ISAS)及び関連大学と一体となり開発した。ジオスペース探査衛星"あらせ"は,2016年12月20日に打ち上げ,現在も良好な観測が進められており,大きな科学成果が期待されている。