三菱重工技報
    Vol. 52 No. 4 (2015)   新製品·新技術特集
    技術論文

    速度飽和のあるアクチュエータを有する運動系の安定化制御

    Stabilization of Motion Control System with Rate Limited Actuator

    安達丈泰
    Takehiro Adachi
    粟屋伊智郎
    Ichiro Awaya
    中田昌宏
    Masahiro Nakata
    市川卓示
    Takuji Ichikawa
    安達丈泰
    粟屋伊智郎
    中田昌宏
    市川卓示

    運動制御を行う機械製品では,応答性を上げていくとアクチュエータの動作速度が飽和し,制御システムが不安定となるため,速度飽和が発生しないように応答性を下げた設計が施されている。本稿では,アクチュエータの速度飽和を含む運動制御システムに対し,応答性向上に伴う不安定化を解決できる新しい制御手法について述べる。この手法は,アクチュエータの線形参照モデルを利用して,飽和が生じないようにアクチュエータへの指令を補正する安定化手法である。本手法を適用することで,運動制御系が安定化され,さらなる応答性の向上に寄与できることを解析とシミュレーションにより示す。