三菱重工技報
    Vol. 52 No. 2 (2015)   三菱日立パワーシステムズ特集
    技術論文

    低炭素社会実現に向けた次世代クリーン石炭火力発電用低NOX燃焼技術

    Dry Low NOX Combustion Technology for Novel Clean Coal Power Generation Aiming to Realize Low Carbon Society

    百々聡
    Satoschi Dodo
    苅宿充博
    Mitsuhiro Karishuku
    八木宣夫
    Nobuo Yagi
    浅井智広
    Tomohiro Asai
    穐山恭大
    Yasuhiro Akiyama
    百々聡
    苅宿充博
    八木宣夫
    浅井智広
    穐山恭大

    次世代石炭火力発電として期待されるIGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle;石炭ガス化複合発電)は,石炭を"水素を含むガス"に転換して燃焼するクリーン石炭火力技術であるが,水素含有燃料特有の課題がある。三菱日立パワーシステムズ(株)(MHPS)では,2008年から国立研究開発法人新エネルギー·産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画し,CO2回収設備付きIGCC向けの低NOX燃焼技術として,急速混合技術と浮上火炎技術を組み合わせた革新的な分散混合燃焼技術を開発し,電源開発(株)若松総合事業所内のEAGLEパイロットプラントにおいてガスタービン実機での特性を確認した。その成果を展開して,現在建設中の大崎クールジェン(株)納めIGCC実証試験設備向けのH-100ガスタービンに世界初のIGCC用ドライ低NOX燃焼器を搭載した。なお、H-100ガスタービンは、従来は初号機の認可出力(約80MW)に合わせH-80の名称を用いてきたが、ガスタービン定格出力に合わせ、名称をH-100に変更した。