三菱重工技報
    Vol. 49 No. 4 (2012)   三菱重工の総合力特集
    製品紹介

    制震ダンパーによる排気筒·煙突の耐震強化

    Seismic Resistance Reinforcement by Dampers of Chimney and Ventilation Stack

    三菱重工鉄構エンジニアリング(株)
    建築事業本部 営業部

    東日本大震災の以前から原子力設備の排気筒では耐震強化工事が進められていたが,今後は更に巨大な地震に対する安全性の確保,またBCP(事業継続計画)の観点から火力発電所や各種プラントの重要な生産設備を守ることが求められる.また,高度成長期に建設された煙突も建設後30年~40年を経たものが多くなり,経年劣化や老朽化した煙突の健全性回復と耐震強化を併せて実施することが望ましい. 本稿では鉄塔支持型の排気筒や煙突で,筒身と支持鉄塔部材の間で水平荷重を伝達するストッパ部材(以下,支持点と呼ぶ)に制震ダンパーを用いることで効果的に地震応答を低減させる制震工法について紹介する.