三菱重工技報
    Vol. 40 No. 5 (2003)   エレクトロニクス製品特集
    特集 技術論文

    高エネルギー分解能を持つ次世代のガンマ線センサ

    The Next Generation Gamma-ray Sensor with High Energy Resolution

    黒田能克
    Yoshikatsu Kuroda
    笹原松隆
    Matsutaka Sasahara
    諫山武志
    Takeshi Isayama
    玄蕃 恵
    Kei Genba
    黒田能克
    笹原松隆
    諫山武志
    玄蕃 恵

    当社は宇宙科学研究所(宇宙科学研究所次世代探査機研究センター高橋研究室)と共に,宇宙において高いエネルギー領域で起こっている様々な現象を精密に観測するために,天文衛星に搭載するガンマ線センサの研究を行っている.今回,MeVを超える高エネルギーのガンマ線を高い精度で分光することを目的として,化合物半導体テルル化カドミウム(CdTe)を使った40段スタック型ガンマ線センサを開発した.本センサによる試験の結果,CdTeを用いたセンサでは世界で初めて,6.1MeVの高エネルギーガンマ線をFWHM1~2%の高精度で分光することに成功した.本論文では,今回開発したセンサの概要及び測定試験結果について紹介する.