三菱重工技報
    Vol. 55 No. 1 (2018)   環境特集
    技術論文

    F形ガスタービンへの最新技術適用

    Technology Application to MHPS Large Frame F Series Gas Turbine

    正田淳一郎
    Junichiro Masada
    由里雅則
    Masanori Yuri
    安威俊重
    Toshishige Ai
    高田和正
    Kazumasa Takata
    岩﨑達也
    Tatsuya Iwasaki
    正田淳一郎
    由里雅則
    安威俊重
    高田和正
    岩﨑達也

    三菱日立パワーシステムズ(株)(以下,当社)は,これまで培われた豊富な運転実績に加え,2004年から参画している国家プロジェクト"1700°C級超高温ガスタービン要素技術開発"をはじめとする先端技術研究の成果を取り入れることにより,絶え間ないガスタービン開発を進めており,地球環境保全やエネルギー安定供給の観点で社会に貢献し続けている。近年ではタービン入口温度を1600°C級にまで上昇させ,62%以上のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)熱効率が達成可能となるM501J形の実証を2011年に成し遂げた後,現在までに25台が商用運転に入っており,累計47万時間以上の運転時間を達成している。最新M701F形は,このJ形ガスタービン技術を用い高効率化を図るとともに,GAC形で実績のある空気冷却燃焼器技術を採用することにより運用性を高めたガスタービンであり,2015年に初号機が商用運転を開始し,現在までに国内外にて累計52000時間以上の運転時間を達成している。また当社では,既存F形に対しても新型機向けに開発された実績のある技術を適用することで高性能化·高信頼性化するアップグレードメニューも新機種開発と平行して行っている。本稿では,最新F形ガスタービンの特徴及び既存F形ガスタービン向けのアップグレードについて説明する。