三菱重工技報
    Vol. 53 No. 3 (2016)   交通·輸送特集
    製品紹介

    実走行を再現した空力·風切音評価を可能とする自動車用空力低騒音風洞

    Automotive Aero-Acoustic Wind Tunnel Facility

    三菱重工メカトロシステムズ( 株)
    営業本部 機械装置営業部
    機械
    制御営業課
    機械装置事業部 機械技術部
    設備設計課

    乗用車には,"走行安定性""低燃費化""快適性"が求められており,その性能開発を行うために,従来から"風洞試験装置"が用いられている。昨今では,地球環境維持のために,世界各国で排出ガス·燃費規制は年々厳しさを増してきており,車両の空気抵抗低減への期待がさらに大きくなっているとともに,乗用車の排出ガスと燃費の試験サイクル及び試験法の世界統一化(俗に言うWLTP)により当該試験用の認証風洞の配備が世界的に急ピッチで進められている。 このような背景から,最新の風洞試験装置には,WLTPで規定される安定した気流品質を有し,実走行中の車両の床下及びタイヤ周りの流れが再現できるとともに,風切音評価が可能な静音性も求められている。 本製品は,世界トップレベルの空力·低騒音性能を有する最新型自動車風洞として,2013年3月にトヨタ自動車(株)に納入されたものであり,その概要を紹介する。