三菱重工技報
    Vol. 47 No. 2 (2010)   交通·物流特集
    製品紹介

    新ユニバーサルデザイン型"旅客搭乗橋(PBB)"

    Universal Design Type Passenger Boarding Bridge

    三菱重工交通機器エンジニアリング(株)

    旅客搭乗橋(PBB)は旅客が空港ビルと航空機間を乗り降りする際のサービス機器として広く世界中の空港で使用されている.PBBが世界で初めて誕生して半世紀が過ぎようとしているが,この間,基本的な構造はほとんど変わらずに推移してきた.即ち,大小のトンネルを伸縮することで航空機に接機,離脱を行うが,トンネル間に段差が生じることは回避できず,バリアフリー化はできないと考えられてきた.この常識を覆し,トンネル間の段差を完全に無くして,旅客が安心して乗降できる旅客搭乗橋を世界で初めて開発した.この新ユニバーサルデザイン型PBBは東京国際空港(羽田)の国際線新旅客ターミナルへ 21 基の採用が決定,現在製作中で,2010 年7月に納入される予定である.
    PBBは今やタイ,インドネシア,中国などでも製作されており,価格競争力で対抗することは難しくなっているが,この新ユニバーサルデザイン型PBBはこれらのPBBとの差別化を図り,新たにグローバルな展開を図る戦略機種である.