三菱重工技報
    Vol. 40 No. 3 (2003)   人に優しい陸上交通システム特集
    特集 技術論文

    空圧キャリパを用いたオイルレスな新幹線ブレーキシステムの開発

    Development of Oil-Free Brake System for Shinkansen Using Pneumatic Brake Caliper

    森田昇三
    Shozo Morita
    古谷英樹
    Hideki Furutani
    佐々木浩一
    Koichi Sasaki
    白石仁史
    Hitoshi Shiraishi
    森田昇三
    古谷英樹
    佐々木浩一
    白石仁史

    鉄道車両のブレーキ方式には,車輪とレール間の粘着力を利用する粘着方式と粘着力に依存しない非粘着方式がある.現在,新幹線営業車両に使用されているブレーキは粘着方式のみであり,電気ブレーキ(回生ブレーキ)と機械ブレーキ(ブレーキキャリパ)を併用し,走行車両の運動エネルギーを電流と熱に変換し制動力を得ている.また,安全と信頼性から制動源には空圧が使用され,フェールセーフ機構となっている.1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業から機械ブレーキには,油圧方式が用いられている.本報では,ブレーキシステムの基幹構成要素である新幹線用空圧式ブレーキキャリパの開発について報告する.