三菱重工技報
    Vol. 54 No. 2 (2017)   冷熱特集
    技術論文

    全容量域に低GWP冷媒を展開したターボ冷凍機"ETI-Z,GART-ZE/ZEI"

    "ETI-Z, GART-ZE/ZEI" Centrifugal Chillers using Low-GWP Refrigerants for Full Capacity Range

    栂野良枝
    Yoshie Togano
    宮本潤
    Jun Miyamoto
    神吉由恵
    Yoshie Kanki
    清水和美
    Kazumi Shimizu
    三浦貴晶
    Takaaki Miura
    長谷川泰士
    Yasushi Hasegawa
    栂野良枝
    宮本潤
    神吉由恵
    清水和美
    三浦貴晶
    長谷川泰士

    冷媒の世界動向として,2016年10月のモントリオール議定書"キガリ改正"で定められた,HFCの生産及び消費量の段階的削減義務は重要である。先進国は2036年に基準年(2011年-2013年)の85%削減となっている。今後,HFC削減のために規制が強化される可能性もあり,早急な低GWP(Global Warming Potential=地球温暖化係数)冷媒への転換が必要となっている。そのためライフサイクルを考えると,HFC冷媒を使用したターボ冷凍機を新たに導入することは難しくなっていく。そのような中,三菱重工サーマルシステムズ(株)は2015年9月にGWPが1のHFO-1233zd(E)を採用したETI-Zシリーズを,2017年4月にはGWPが1より小さいHFO-1234ze(E)を採用したGART-ZE/ZEIシリーズの販売を開始した。これにより,冷凍能力が150USRtから5000USRtと全てのラインアップで低GWP冷媒対応のターボ冷凍機を提供できるようになった。