三菱重工技報
    Vol. 53 No. 1 (2016)   機械·設備システム特集
    製品紹介

    三菱重工の常伝導/超伝導加速空洞

    -最先端加速器システムの開発に貢献-

    Mitsubishi Heavy Industries' Normal Conducting / Superconducting Accelerating Cavities
    - to contribute to the development of the most advanced particle accelerator systems -

    三菱重工メカトロシステムズ(株)
    機械装置事業部機械技術部

    2014年初めに国内の最先端加速器プロジェクトで相次ぎビーム加速が実証された。ひとつは東海村にあるJ-PARCのリニアックエネルギー増強であり,加速空洞に加速電場の軸対称性に優れるACS空洞を採用し,世界初の陽子ビーム加速,営業運転が開始された。もうひとつは,つくば市にある高エネルギー加速器研究機構のKEK-cERLプロジェクトで,高加速電界での連続運転が可能な超伝導加速空洞を採用し,加速された電子ビームのエネルギーを回収し再利用することで高品質なビームを実現する新しい方式のリニアックの技術検証運転が行われた。上記の両プロジェクトにおいて,三菱重工業(株)(以下,MHI)は空洞開発及び実機製作を担当し,客先要求値以上の高加速電界を実現した。