三菱重工技報
    Vol. 50 No. 4 (2013)   都市交通を支える技術特集
    技術論文

    垂直管型超臨界圧変圧貫流ボイラの最新設計技術
    (第二報:新型ライフル管の開発と実機適用)

    Latest Design Technology for Vertical Water Wall Boilers
    -The Second repor: Development of Enhanced Rifled Tube-

    山本健次郎
    Kenjiro Yamamoto
    菅沼博
    Hiroshi Suganuma
    堂本和宏
    Kazuhiro Domoto
    山崎義倫
    Yoshinori Yamasaki
    金巻裕一
    Yuichi Kanemaki
    中拂博之
    Hiroyuki Nakaharai
    山本健次郎
    菅沼博
    堂本和宏
    山崎義倫
    金巻裕一
    中拂博之

    垂直管型超臨界圧変圧貫流ボイラは,冷却能力の高いライフル管を火炉壁に用いることにより複雑なスパイラル構造を回避して火炉壁を垂直管で構成したもので,経済性とともに性能,信頼性を向上することのできるボイラ形式である。前報(第一報)では,当社の垂直管型ボイラの実用化の歴史と,その豊富な実績データに基づく,垂直管ボイラの最適な設計技術を纏めた。また,炉内熱負荷分布の変動に対してロバストな火炉システムを設計する重要技術の一つとして,火炉壁管内流体の質量速度を適正に下げることを挙げたが,この質量速度は,ユニット出力,燃料種,管の耐圧強度等からに決定される為,垂直管ボイラに適用されるライフル管は,適正な冷却能力が求められている。但し,質量速度を下げる場合,超臨界圧域における伝熱劣化,および亜臨界圧域におけるDNBのような熱伝達率の低下が起こり得ることが一般に知られており,当社は長年長崎研究所の超臨界圧伝熱テストループやCFD解析を用いて,上記の超臨界圧伝熱劣化とDNBの現象把握,及びその抑制原理を研究してきた。本報では,ライフル管の最新の研究,技術開発の動向を紹介する。また,この最新技術を活用した最新鋭の超臨界圧変圧貫流ボイラの特徴について紹介する。