三菱重工技報
    Vol. 62 No. 1 (2025)   新製品·新技術特集
    技術論文

    プラント状態監視·保守計画の合理化のための光ファイバ温度計による多点温度計測技術

    Multipoint Temperature Measurement by Optical Fiber Sensor for Rationalization of Plant Condition Monitoring and Maintenance Planning

    吉田茂
    Shigeru Yoshida
    森真一郎
    Shinichiro Mori
    坂口貴士
    Takashi Sakaguchi
    宮本大樹
    Daiki Miyamoto
    河島弘毅
    Hirotake Kawashima
    竹内和広
    Kazuhiro Takeuchi
    吉田茂
    森真一郎
    坂口貴士
    宮本大樹
    河島弘毅
    竹内和広

    電力·化学·石油·ガス等のプラント業界では,設備の老朽化や運転員·保守員の不足といった問題に直面し,状態監視に基づく合理的な運転·保守と安定操業の維持が課題となっている。そこで三菱重工業株式会社では,プラントの状態監視に役立つ多点温度計測技術を開発した。本技術は耐熱性に優れた光ファイバ温度計を用いており,1本で多点の温度計測が可能である。例えば火力発電用ボイラプラントで使用される多数の伝熱管の温度監視に使用することで,異常の早期発見や,検査·更新工事の適正化などが可能となる。実機ボイラで実施中の長期実証試験では,従来よりも低コスト·短期間で設置可能であることや定格運転中の温度分布を把握可能なことを確認し,1年以上の連続計測も達成した。今後も長期間の耐久性や計測性能の検証を継続するとともに,各種プラント設備へ適用し,状態監視·保守計画の課題解決に貢献する。