三菱重工技報
    Vol. 61 No. 4 (2024)   原子力特集
    技術論文

    大規模流動試験によるLOCA後長期炉心冷却性の実証

    Demonstration on Post LOCA Long-Term Core Cooling by Large-Scale Test

    緒方智明
    Tomoaki Ogata
    白土雄元
    Yugen Shiratsuchi
    東慧
    Kei Higashi
    寺前哲也
    Tetsuya Teramae
    榎本健
    Takeshi Enomoto
    坂田英之
    Hideyuki Sakata
    緒方智明
    白土雄元
    東慧
    寺前哲也
    榎本健
    坂田英之

    PWRの設計基準事故の一つである原子炉冷却材喪失事故で発生するデブリ(保温材の破砕片,塗装片及び化学析出物)を含んだ冷却材が,再循環運転時に原子炉容器内へ供給される。その際,デブリが炉心入口部の冷却流路を閉塞し,炉心崩壊熱の除去を阻害することが懸念されている。この懸念に関して,実寸大の燃料集合体2体を用いた体系により流動試験を実施し,デブリによる冷却流路の閉塞影響が軽微であることを実証した。その後,試験結果を基に流動解析を実施し,炉心に十分な冷却材が供給され,炉心崩壊熱が適切に除去されることを明らかにした。