三菱重工技報
    Vol. 60 No. 3 (2023)   エナジードメイン特集
    技術論文

    世界最高熱効率と最高水準の運用性を両立させた東北電力株式会社上越火力発電所第1号機

    Achievement the World's Highest Thermal Efficiency and High Flexibility Joetsu Thermal Power Station Unit No.1, Tohoku Electric Power Co., Inc.

    井上昌和
    Masakazu Inoue
    原田敬広
    Takahiro Harada
    巽直也
    Naoya Tatsumi
    西海高史
    Takashi Nishiumi
    上見拓也
    Takuya Uwami
    田中健登
    Kento Tanaka
    井上昌和
    原田敬広
    巽直也
    西海高史
    上見拓也
    田中健登

    東北電力株式会社上越火力発電所第1号機は三菱重工業株式会社1650°C級JAC形ガスタービンを採用し,2022年12月に運転開始したプラントであり,プラント熱効率は世界最高の63.62%を実現した。一般的に熱効率とトレードオフの関係にある運用性に関しても,従来のガスタービンコンバインドプラントから起動時間は約25%短縮,発電出力変化速度は約3倍に向上,最低出力は定格出力の25%まで低減しており,変動の大きい再生可能エネルギー導入拡大促進も期待できる。高効率,高運用性によりさらなる環境負荷低減,カーボンニュートラル達成に向けた電力事業の発展に貢献するものと思われる,当該プラントの特徴に関して述べる。