三菱重工技報
    Vol. 53 No. 1 (2016)   機械·設備システム特集
    製品紹介

    エネルギー自立型汚泥焼却炉

    Sewage-Sludge Incineration Power-Station

    三菱重工環境
    化学エンジニアリング(株)
    資源リサイクル事業部
    汚泥焼却プラント部

    昨今,地球温暖化防止の観点から温室効果ガス削減は世界共通の課題であり,下水汚泥処理においても例外ではない。現在,汚泥焼却炉から排出する一酸化二窒素(以下,N2O:温室効果係数が二酸化炭素の298倍)を始めとする温室効果ガスについては,東京都を中心に大幅な削減が図られているが,電力由来の二酸化炭素(CO2)排出量については横ばいの状況である。そこで,東京都下水道局は2014年6月に策定した下水道事業におけるエネルギー基本計画"スマートプラン2014"において,より一層の省エネ,創エネを加速するためにエネルギー自立型(電力·燃料消費共にゼロ)の汚泥焼却炉の導入を計画し,プラントメーカ各社と共同研究を行った。三菱重工環境·化学エンジニアリング(株)(以下,MHIEC)もこの共同研究に参画し,従来の汚泥焼却炉にバイナリ発電を組み込んだエネルギー自立型の汚泥焼却炉を開発し,東京都下水道局からエネルギー自立型汚泥焼却炉の認定を受けたので,ここに報告する。