三菱重工技報
    Vol. 47 No. 3 (2010)   船舶·海洋特集
    技術論文

    造船業におけるデジタルものづくり-3D設計による設計完成度向上と工作支援-

    Digital Manufacturing in the Shipbuilding Industry

    西山浩司
    Koji Nishiyama
    頼光元嗣
    Genji Yorimitsu
    浜田顕弘
    Akihiro Hamada
    三森裕司
    Yuji Mimori
    平木常正
    Tokimasa Hiraki
    西山浩司
    頼光元嗣
    浜田顕弘
    三森裕司
    平木常正

    近年,製造業ではデジタルものづくりが進展しており,造船部門でも3D設計と工作での3Dモデル徹底活用の推進,ITによる設計·生産プロセス変革に取り組んでいる.造船部門での3D設計の取組みは古く,1980年代に造船用3D-CAD MATES(Mitubishi Advanced Total Engineering system of Ships)を自社開発した.現在,実船への適用を通じながら機能改良を継続しており,基本設計から生産設計までをカバーする実用性の高い造船システムと成っている.一方,初期計画の3D化は,船舶性能計算分野でデファクトと成っている市販の造船用CAEシステムNAPAを採用しているが,当社の技術力を生かし魅力ある提案へつなげるには設計ノウハウを組み入れる必要が有り,当社独自のカスタマイズにより高度な設計環境を構築し最適設計を図っている. 本稿では,初期計画及び詳細設計ステージでの設計3D化による設計品質向上の取組みや工作での設計3D情報の活用について紹介する.