三菱重工技報
    Vol. 46 No. 2 (2009)   発電技術特集
    技術論文

    空気吹きガス化炉を用いたIGCC商用機の計画状況

    Commercialization of Mitsubishi Air-Brown IGCC Power Plant

    橋本貴雄
    Takao Hashimoto
    坂本康一
    Koichi Sakamoto
    北川雄一郎
    Yuuichirou Kitagawa
    百武慎徳
    Yoshinori Hyakutake
    瀬谷典繁
    Norishige Setani
    橋本貴雄
    坂本康一
    北川雄一郎
    百武慎徳
    瀬谷典繁

    世界的なエネルギー消費量の増大に伴い,化石燃料の中で安価で長期的な安定供給が可能な石炭の消費量は,今後も著しく拡大すると見込まれている.一方で,地球温暖化問題を中心に石炭利用に厳しさが増す中で,高効率化によるCO2排出量を低減する技術の確立が時代の要請となっている.また,最近では更なるCO2排出量低減の切り札として,発電時に発生したCO2を回収·貯留する技術が検討されており,石炭ガス化複合発電(IGCC)は最も効率的·経済的にCO2回収が可能な石炭利用火力発電技術,即ちクリーン·コール·テクノロジーとして注目されている.本論文では,まずIGCCの開発状況を概観し,次に現在取り組んでいるIGCC商用機の計画状況,及びIGCCによるCO2回収技術について報告する.