三菱重工技報
    Vol. 44 No. 4 (2007)   発電技術特集
    特集論文

    風車の落雷の実機計測実績

    Measurement Experience of Lightning Current Fell to Wind Turbines

    上田悦紀
    有永真司
    福田光芳
    岩井信樹
    松下崇俊
    井上厚助

    風力発電は地球温暖化防止を担う再生可能エネルギーの主役として世界的に導入拡大が続いている.一方で日本の厳しい気象条件による風車の故障も増加しており,その最も多い原因は落雷被害である.特に北陸地方の日本沿岸部には,"冬季雷"という世界的にもまれな高エネルギーの雷が存在し,毎年,多数の風車が被災している.当社は風車に落雷した際に雷のエネルギーを速やかに地面に逃がす技術を確立するために,2003年から実際の風車で冬季雷の計測を実施してきた.この論文では日本各地での風車落雷時の雷電流の計測結果を分析し,現在の風車落雷の国際設計標準IEC-61400-24 とは別に,日本型風車ガイドライン策定が必要であることを確認した.