三菱重工技報
    Vol. 42 No. 1 (2005)   新製品·新技術特集
    特集 技術論文

    93A型一次冷却材ポンプ用改良型No.1シールの開発完了―実機プラントで安定運転中

    Improved Shaft Seal for 93A Type Reactor Coolant Pump

    佐々木康弘
    Yasuhiro Sasaki
    小幡一之
    Kazuyuki Obata
    久井 治
    Osamu Hisai
    松尾俊彦
    Toshihiko Matsuo
    小松直隆
    Naotaka Komatsu
    上原秀和
    Hidekazu Uehara
    佐々木康弘
    小幡一之
    久井 治
    松尾俊彦
    小松直隆
    上原秀和

    加圧水型原子力発電所で稼動している1次冷却材ポンプ(RCP:Reactor Coolant Pump)は,原子炉で発生した熱エネルギーを一次冷却材に伝え,同冷却材を蒸気発生器·原子炉と循環させる役割を担っており,プラント運転中は常に稼働しているポンプである.このRCPの軸貫通部からの一次冷却材の系外漏えいを防止する軸シールはポンプの運転継続に直結するため,安定した性能を有することが要求される.
    軸シールは,3段のシールで構成され,主シールである第1段シール(以下No.1シール)は高差圧条件での長時間(約1年間)運転に対して経年的な特性変化が小さい非接触限定漏えい式を採用している.
    従来のNo.1シールではシール周りの圧力,温度,水質等の変化(外乱)により特性が変化する事象が生じ,最悪の場合はプラントの運転継続に影響を与える恐れもあった.本報ではこのような不安定事象を防止する対策として特性安定化を図った改良型No.1シールについて紹介する.