三菱重工技報
    Vol. 40 No. 1 (2003)   三菱重工の昨日·今日·あした
    特集 技術論文

    お客様の安心を運ぶ陸上物流システム

    -クレーン/フォークリフト-

    Material Handling System, Crane and Forklift

    西岳 茂
    Shigeru Nishitake
    中田 広
    Hiroshi Nakata
    烏田修之
    Shuji Karasuda
    大崎安史
    Yasufumi Osaki
    西岳 茂
    中田 広
    烏田修之
    大崎安史

    近年はITが飛躍的な進歩を遂げ,情報のコンテンツが瞬く間に拡大し,また工業生産のグローバル化に伴い,物流の中身もスピードも変化している. 全世界のコンテナ輸送量は毎年5%程度の増加が予想されており,我が国での輸出入貨物の約90%は海上コンテナによって運ばれてくる. 日本では1999年実績と比べ,2010年では約60%,2015年では約90%の増加が予想されている.
    この輸送量増加に伴い,海上コンテナを運ぶ船も大型化されてきており,現在では初期の10倍以上の積載量をもつ大型船が就航し,さらに大型化が検討されている. また,輸出入量の増加に伴い陸上物流も変化している.
    当社の物流にかかわる機器としては,港湾クレーンを始めとして製鉄用クレーン,各種天井クレーン,バルクハンドリング機器,穀物サイロ,自動格納設備等の各種荷役設備,またフォークリフト,無人搬送台車(AGV)のような運搬車両機器がある.
    以下では,物流の変化に対応して,海上コンテナの国の玄関として大きな役割を果たしている港湾のクレーン及び物流の多様化,高度化を背景に活躍しているフォークリフトについて,歴史と今後の技術展望について紹介する.