三菱重工技報
    Vol. 62 No. 1 (2025)   新製品·新技術特集
    技術論文

    メゾスケール材料モデルを適用した複合材成形シミュレーション技術

    Composite Forming Simulation Using Mesoscale Material Model

    野間一希
    Kazuki Noma
    新藤健太郎
    Kentaro Shindo
    野間一希
    新藤健太郎

    航空機を中心に適用が進められているNon-Crimp Fabric(NCF)等の炭素繊維基材を製品形状に成形する際に,製品形状が複雑な場合は繊維のしわ等の欠陥が発生する。一般的に成形条件の適正化により品質の改善が図られるが,品質向上には繊維基材自体の成形性改善が有効である。三菱重工業株式会社では,メゾスケールの材料モデルを用いた成形解析により材料の微視的な変形挙動を予測し,解析精度の向上及び材料構成の適正化を図る技術を開発している。本報では,NCFのメゾスケール材料モデルを構築し,要素部品の成形解析と試験を比較評価した結果と,NCFの材料構成による成形性への影響を解析で評価した結果について述べる。